エリート養成校「海陽学園」、保護者だけが知る本当の評価

トヨタ自動車、JR東海、中部電力など中部財界の力を結集し、200億円以上をかけて設立された全寮制の中等教育学校「海陽学園」。今年3月には第一期生を送り出し東京大学合格者を13人輩出するという目覚ましい成果を残した。しかし、英パブリックスクールを範として、世界に通じるリーダーを育成することを目的に創設された学校としての内実は、「まだまだ」との声が聞こえてくる。

実を結んだ「海陽メソッド」?

 日本でエリート教育を。そんな思いを財界がリードして、2006年、愛知県蒲郡市に海洋学園が誕生した。そのモデルとなっているのが、英国で19人の歴代首相を輩出してきた全寮制のパブリックスクールであるイートン校。開校当初はマスコミにも派手に取り上げられて話題になったが、その後の金融危機、リーマンショックで不景気に突入し、いつしか話題はしぼんでいった。だが、今春、東合格者13人を輩出し、再び陽の目を見ることになった。

日本の高校の価値を測る尺度となっている「東大合格者数」。その尺度で見るならば、1期生からこれだけの成果を上げる学校は前例がないほどで、評価は大いに高まったことは想像に難くない。

 保護者からは「生活指導面からは集団生活から得られる良い点が多く、家庭では厳しくできない日常生活面において自主自律の精神が養われたこと」「集団で学習に日夜取り組めたことが、良い刺激となり成果が上がった」という声が挙がっており、勉学への効果が現れたことがわかる。

 また、学習面で「とりわけ熱心な先生方が多く、内外から普通では招聘できない、ノーベル賞受賞者などの来園があり講話が聴けたことも将来への希望になった」といい、他の学校では得がたい経験もあったようだ。

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