エリート養成校「海陽学園」、保護者だけが知る本当の評価

1期生の意識が学校を支えた

 様々な課題はあるものの、初の卒業生101人のうち13人が東大合格した事実は、評価されるべきだ。この点について保護者は「一期生に限っての意識であるかもしれないが、学園の歴史の一頁を作るという意識が強かったのでは」という。

 子どもながらに学園の歴史を切り拓くというパイオニア精神を発揮するなど、将来もそれほど悲観するものでもないだろう。卒業生と話をしたという地元のある学校関係者は「海陽学園での授業と寮生活に満足して卒業して行った生徒は、卒業してからも寮や部活の指導に戻って来たいと話していた」と語った。

 東大は世界ランキング30位(英国教育専門誌タイム・ハイヤー・エデュケーション調べ)。世界にはまだ上には上がいる。もちろん、大学だけがすべてではないのだが、単なる「進学高」になっても、海陽の元々の設立趣旨とは違ってくる。

 1期生の活躍にどうにか支えられた海陽。十分なアピールとなり、これで優秀な生徒を集めることもできるだろう。しかし、本当の意味での人材を輩出できるかどうかは、まだまだ長い目で見ていかなければならないだろう。

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