エリート養成校「海陽学園」、保護者だけが知る本当の評価

ゲーム禁止はつらい

 海陽では、学力があって高い志を持って入学しても、全寮生活を送るために、24時間「海陽生」でいなければならない。

 寮ではフロアごとに生徒20人がともに生活(全員に個室あり)。トヨタ、JR東海、中部電力、東京電力、などからマスターと呼ばれる人物が派遣される。企業人が父親代わりとなって親身に相談に乗ってくれるというものだ。しかし、思春期の少年たちによる全寮生活だけに、色々と難しい面もありそう。さらに、創設して間もないという時期だけに、試行錯誤を繰り返しているようにも見える。

 ある保護者は「日常生活の規則などが曖昧で、その時々で簡単に変更されることで、保護者としても戸惑うことが多々ありました」と不満を口にする。

 例えば、寮から自宅には毎週帰宅が許されていたが、急にルールが変更し、1カ月に1度しか帰宅できなくなったという。さらに「ハウス(寮)も成績で分けられるので、ルームメイトへのよいライバル心というよりは敵対心が強くなる傾向は避けられなかったと思います」という声もあった。

 まだ10代だけにそうなれば、どこかに逃げ場を求めたくなる。それが、TVゲームなどになるのだが「ゲームに関する規則が急に変更になり、全面的に禁止となったことが生活に直接影響を与えました」という面も。こうなると完全に息抜きの場を奪われてしまい、退学した生徒も出たという。

 ほかに不満を挙げれば「夏季休暇中などのクラブ活動が制限されて成果が出にくくなった」「ハウスの食事がまずい」「講師で招く人がノーベル賞受賞者たちで、立派すぎて効果は疑問で『やりすぎ』『見せびらかし』の感はあった」など。

 もちろん、期待が高いだけに保護者から不満が出やすいのは当然だろう。

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