(最終回)「各方面で絶賛される『鳥居平』」
経済ジャーナリスト 湯谷昇羊
「アビシウス」でシャトー勝沼130周年記念
今村英勇氏
その「アピシウス」で今村英勇が「シャトー勝沼130周年記念 オールヴィンテージを飲む会」をやるという。2007年9月19日のことだ。私も「鳥居平2004年」を200本買ったことと、大手証券会社元副社長の縁で呼んでいただいた。
帝国ホテルの田中健一郎総料理長など、各界を代表する約50人の出席者を前にした今村の挨拶の後、数十年も経ている年代物のワインの栓が、惜しげもなく次々と開けられた。
時間の経過とともに会場は、グラスからほとばしるワインの芳醇な香りに満ちて、鼻腔にじんわりと染み込んでくる。赤ワインはシャンデリアの光で濃厚な赤に煌めき、白ワインは黄金色に輝く。至福の時となった。極楽浄土、エデンの園とはまさにこのようなことを言うのだろう。
埃にまみれた一升瓶に入った100年もの白ワインもいただいた。驚くべきことにそのワインは透明感があり、生き生きとした“若さ”を感じた。不思議な体験だった。