105億円使い倒した御曹司の心の闇(2)

最高のカモがネギしょって来た


 大金を持っていて、しかも素人。これがカジノはもちろん、夜の六本木・西麻布界隈のルールだ。当然ながら「格」よりも「金」が力の源泉となりやすい点でも、銀座とは全然違う。

 人気タレントKさん、馬主オーナーになった俳優Iさんら多くの人が、意高マネーの恩恵を受けたとされることは六本木では広く知られている。また、産経新聞によれば、意高が主催して、シャンパンタワーのコースターに1万円札を使用したり、100万円争奪じゃんけん大会も行われていたとされている。現代の日本では珍しくなってしまった光景だ。

 42歳で社長となった意高。実力は誰もが認めるところだが、大王製紙ほどの大企業で40代でトップに就任できたのは創業家だったからに他ならない。のしかかる重圧は想像に難くはないものの「わたしよりも重圧を感じている、経営者の方はたくさんいる」と証言していた。

  自分が会社の外で唯一「帝王」になることができる場所。しかし、それは「金」だけでつながる希薄な縁でしかなかった。

 「六本木などでは常に『カモ』になる人間を探しています。もちろん、国内のカジノは違法なので早く回収して店を手じまいするタイミングを測っています。事実、井川さんが逮捕された後に、警視庁はそちらの摘発も視野に入れていたようですが、それを察知してみんな店仕舞いしましたけどね」(事情通)

 意高の金が目当てだった。

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