105億円使い倒した御曹司の心の闇(2)

1日で10億円勝ったことも

 意高はイカサマをされていると気が付いた。損失は数億円に膨らんでいたため、母親に相談して用立ててもらうなどして何とか難を逃れた。だが、頭脳明晰だと言われる意高だが「海外にあるアメリカの上場企業が経営しているカジノなら、イカサマはないだろう」と、根拠もない衝動的な思惑で頻繁にマカオに旅立つようになった。

 法廷での証言の中で、1日で10億円勝った日もあり、返済の原資に充てることもあったという。しかし、そんな日はたまたまラッキーだっただけで、ほとんどが連戦連敗で、カジノで勝って返済しようという浅はかな計画は、もう抜けられないところまで来ていた。

 昨年3月に父・高雄に発覚し、激しく叱責を受けることになる。意高は「使い道がギャンブルといえば、激しく叱責されるので、FXに使ったと、事実と違う説明をしました」と証言した。

 75歳、車いすで外出する姿が目撃される高雄だが、意高にとっては今でも恐怖を持つ存在。叱責されることを極度に恐がっていたようで、高雄の前では子どもに戻るほかなかった。自分を守るために、子どものようなウソをつくしかなかったのだ。

 裁判官から「本来は極めて合理的な考えを持つあなたが、なぜギャンブルで損失を取り戻そうと考えたんですか」と質問された。

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