富裕層に人気No.1の秋葉原メイド(アキバ経済編)

経営者>投資家、普通の人>オタク


秋葉原
 今田さんの普段の接客や、その中で交わされている会話を聞くだけでも、少しなりとも経済のことはわかる。例えば、飲食店の経営者に客足のことを直接聞いてみる。不況となると、やはり店や業態、あるいは経営者によって差が出ているのだという。また、企業に勤めるビジネスマンには、休日の過ごし方が変わったり、また仕事の働き方が変わったりする。

 可愛いメイドさんに話を聞かれれば、普段は言いにくいことも抵抗感なく話してしまうから、ある意味で街角経済の専門家でもある。

 接客していて、最近の傾向を「2005、06年くらいまではデイトレードですごく稼いでいた方たちもよくお店には来てくれていました。でも今は、デイトレーダーの方やフェラーリで店に来たりするようなお客さんは減って、経営者さんや有名企業で働く方が多いですね」と話す。

 その言葉を象徴するように、秋葉原の街全体で客層が変わってきたのだという。「オタクと呼ばれていた方は減って、普通の人が多くなったような気がします。例えば、地方から東京の観光に来たような方ですね」と今田さん。

 2008年6月に通行人7人が死亡した「秋葉原通り魔事件」。報道では、この事件をきっかけに人が減ったと伝えられたが、実際には2007年くらいからすでにオタクの人の数は減少。街を訪れる人の数自体が減り、東京観光の一環として秋葉原を訪れる人に代わる過渡期でもあった。この客層の変化こそが、この街全体の経済の変容を如実に物語っている。

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