国税庁の富裕層海外資産包囲網、最新事情

リヒテンシュタインとは


リヒテンシュタイン国旗
 「リヒテンシュタインは会社の数が人口よりも多い特殊な国。国税庁は日本人の口座があると思っていたが今まで手が付けられなかっただけ。チャンスがあれば、当然切り込みたいと考えていたはず」と全国紙記者。

 リヒテンシュタインはOECDのタックスヘイブン(租税回避地)リストに掲載されている国のひとつで、オーストリアとスイスに囲まれた小さな国。相続税、贈与税がない国でもある。確たる産業がない国でもあり、こうでもしないとお金や人は集まらない。国民一人当たりのGDPで1位になったこともある。

 だが「隣国から嫉妬が出るのは当然で、つぶしてやろうと躍起になっていたわけです」と前出の税理士。グレーな資金も流れ込んでいる可能性もあり、それで豊かな国というのは他国から反感を買うのは当然というわけだ。

 2008年に、ドイツの当局は、リヒテンシュタインの皇室が経営する大手プライベートバンクLGTの顧客情報1400件を460万ユーロで購入したことが発表された。たとえ、リヒテンシュタインと日本が租税条約を結んでいなくても、他国から迂回して情報が入ってくる。

 それを証拠に、海外資産の申告漏れも過去最高になっている。

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