「金貸しの傘下」には聞く耳持たず
何かしら突破口を見いだすことが急務で、営業企画部がいくつかの案をひねり出した。採用されたのは、顧客企業内で新たなマーケティング手法の勉強会を開いて、受注に結びつけようとする方法である。ネット活用も企画したが、会社は、この難局では対面が欠かせないと判断したのだ。
営業企画部ではテキスト作りに入り、営業担当者は担当先に勉強会の提案書を持参して、提案をおこなった。その結果、数社で勉強会の開催が決まったが、ほとんどは棚上げされてしまった。事実上の却下である。
元営業マネージャーは「あとで社内の反応を聞き出すと、その多くが『リストラをして金貸しの傘下に入った企業に、勉強会で何を教えてもらうの?』というものでした」と話す。もはや市場から相手にされなくなったのだ。当然、顧客離れも進んでいく。